消費科学研究所
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食中毒防止対策に必要不可欠な「衛生的手洗い」とは
衛生点検・HACCP
2016年11月25日
1.秋冬は、ウイルスによる食中毒に要注意。
平成26年の月別・食中毒発生状況を見ると、夏場は細菌による食中毒が多いのに対して、秋冬はウイルスが原因の食中毒が増えています。食中毒の病因ウイルスは感染力が非常に高いので、食品を取り扱う事業所では、年間を通じて徹底した食中毒防止対策が必要です。
(出典:厚生労働省ホームページ)
2.微生物の汚染は、ヒトの手を介して広がります。
さまざまなものに触れることで、気づかないうちに、手に微生物などが付着しますが、一時的に手に付いた微生物は、適切な手洗いで洗い落とすことができます。
「食品衛生は手洗いに始まり、手洗いに終わる」と言われるように、食品衛生に手洗いが必要不可欠であることは周知の事実です。それにもかかわらず、手を介した食中毒が多発するのは、適切な手洗いが実践されていないからではないか、と考えられています。
3.手洗いは、食中毒防止の基本です。
食品を取り扱う事業所や調理施設では、適切な手洗いを指導し、従業員全員が徹底厳守することが重要です。衛生的手洗いが必要なのは、次のような何らかの作業を始める前と行った後です。
●調理施設に入る時
●食品の盛り付け作業の前
●生野菜、生肉、生魚(貝)、生卵等に触れた後
●次の調理作業に移る前
●ゴミ処理をした後
●顔や頭、マスクに触れた後
●トイレの後
4.衛生的手洗いの手順とポイント
■洗う前に確認!洗い残しが多いところを入念に
爪、指先、指の間、親指のまわり、手首、シワ部分は、とくに注意して洗いましょう。
■衛生的手洗いの手順
①腕時計、指輪をはずす
②流水で両手の汚れを洗い落とす 手洗い用洗剤を付ける
③洗剤を泡立て、もみ洗いする
④指先、指の間、手の甲、手首まで、しっかり擦り洗いする 流水で洗剤をよく洗い流す
⑤ペーパータオル等で手を拭き、水分をしっかり拭き取る(タオル等の共用はしない)
⑥消毒用アルコールを付け、よくすり込む
※二度洗いが効果的
■手洗いの設備も要チェック
・ | 手洗い設備は清潔な状態ですか? |
・ | 手洗いに必要な備品は揃っていますか?(手洗い用洗浄剤、ペーパータオル、消毒用アルコール、使い終わったペーパータオルを捨てる容器) |
・ | 手洗い洗剤の容器は汚れていませんか? |
・ | 手洗い洗剤、消毒用アルコールの容器には、十分に中身が入っていますか? |
衛生的手洗いの指導のほか、事業所内の衛生管理、厨房点検等も実施していますので、ぜひお気軽にご相談ください。