消費科学研究所
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シャワー試験で、さまざまな分野の商品の防水性能を確認できます。
機能性評価
2018年10月10日
シャワー試験は、本来、傘の漏水性(JUPA基準*)を確認するための装置です。当社の大阪研究所にはシャワー試験室があり、天井部分の特殊なノズルから、人工の雨を降らすことができる仕組みになっています。 この装置を使用し、傘だけでなく、防水性を求められる多種多様な商品の「耐漏水性試験」を実施しています。
*JUPA:日本洋傘振興協会
1.多様な商品の耐漏水性試験が可能です
多種多様な商品を対象に耐漏水性試験を行ない、降雨後の商品の状態や防水性能について確認できます。また、依頼者の内部資料用として、試験時の写真や動画の撮影も可能です。
例① バッグ
▲バッグ止水ファスナーの拡大図
●試験結果から確認できること
・バッグ内部への水のしみ込み(ファスナー、生地、縫目内部へのしみ込みの有無、どこからしみ込んだのかの部位特定等)
▲【試験結果の例】キャリーケース スライドファスナー部分 水浸入イメージ
ファスナーを開けた内部の状態。赤枠で囲まれた部分について、濡れて内部の生地の色が濃くなっている。
例② 外壁用パテ(エアコンの配管等に使用)
▲エアコン配管水漏れイメージ
▲外壁用パテ 試験パネルのイメージ ▲試験パネルの設置状態
●試験結果から確認できること
・雨で流れ落ちる状況を確認
・変形(膨れ、ひび割れ等)の有無 など
例③ レインウェア
■試験方法
①人工降雨試験装置の下に試験対象品を置く
②雨を降雨させる
■試験結果の確認
・トルソーが濡れていないか、生地表面の撥水状態を確認する
・衣料品内部に濡れている箇所がないか、水の浸入を確認する
時間の経過とともに撥水性が失われ、雨がほぼ垂直にあたる肩の辺りはかなり湿潤して濡れている状態。
縫い目の部分から、雨が浸み込んでいるのを確認。
■試験結果をもとに、改善ポイントを提案
実際の降雨と同じ条件下で試験を行い、縫い目、ファスナー、スリットなど雨が浸入しやすい箇所について、より明確な試験データを得ることができます。生地の耐水性能や水の浸入経路を確認し、改善策を提案します
2.試験条件など、ご希望に応じて柔軟に対応します
当研究所では、降雨の量(5~50㎜/h)を調節したい、商品のどこがどのように濡れてくるのか見たい、20㎜/hの雨量がどれくらいか確認したいなど、依頼者のご要望にきめ細かく対応しています。実際に商品に雨(シャワー)を降らせている場面に立ち会いのもと、試験を行うことも可能です。お気軽にお問合せください。
▲【参考】雨の強さと降り方(気象庁ホームページより引用)