消費科学研究所
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ガラス製器具の品質と表示について
リビング雑貨
2019年5月28日
ガラス製器具には、普通ガラス、強化ガラス、耐熱ガラスなどがあり、それぞれに特性をもつガラスが使用されています。
当研究所ではJISに準じた品質試験を行い、ガラス製品の品質や性能、安全性を確認することができます。
1.ガラスコップの品質評価試験
一見、同じように見える透明のガラスコップにも、一般的なソーダ石灰ガラス製コップの他に、口部が割れにくいように強化したガラスコップや、熱湯が注げる耐熱ガラスコップなどがあります。
これらについて、基本的な口部の強度が備わっているか、耐熱性があるかなど、JISによる試験及び基準が定められています。
1. 衝撃強さ(JIS S 2043:2001 ガラスコップ5.3衝撃強さ)
ガラスコップに物理的な衝撃を与え、割れないかどうかを調べる試験。
2. 熱衝撃強さ(JIS S 2043:2001 ガラスコップ5.2熱衝撃)
ガラスコップに急激な温度変化を与え、割れないかどうかを調べる試験。
3. 耐熱ガラスの熱衝撃強さ(JIS S 2030:1979 耐熱ガラス製食器4.1熱衝撃)
耐熱ガラス製食器に急激な温度変化を与え、割れないかどうかを調べる試験。
4. ひずみ(JIS S 2043:2001 ガラスコップ5.1ひずみ)(JIS S 2030:1979 耐熱ガラス製食器3.2ひずみ)
商品成型時に残留した応力などによるひずみがないかどうかを非破壊検査で調べる試験。
※試験方法については、下記をご参照ください。
①ガラスコップの衝撃試験
②ガラスコップの熱衝撃強さ
③耐熱ガラスの熱衝撃強さ
④ガラスコップのひずみ試験/耐熱ガラス製食器のひずみ試験
2.強化ガラスと耐熱ガラスの表示
ガラスの特性は見た目では判別できません。食事用や食卓用に使用される「強化ガラス」と「耐熱ガラス」の製品については、家庭用品品質表示法で表示が義務付けられています。使用する前に、必ず表示を確かめることが大切です。
■強化ガラス(ソーダ石灰ガラスなど)
製品の強度を増大させたガラス。物理的な衝撃に強く、なべの蓋、コップなどで用いられています。全面物理強化、全面積層強化、全面イオン強化の4種類があります。耐熱性はありません。
■耐熱ガラス(ほうけい酸ガラスなど)
耐熱温度120℃以上400℃未満。熱膨張が小さく、耐熱性にすぐれています。熱湯が注げるティーカップ、直火で調理ができるなべなどに用いられています。用途に応じて4種類(熱湯用・電子レンジ用・オーブン用・直火用)があります。
熱湯を入れるときは必ず表示を確認し、耐熱ガラス製品を使用する必要があります。
3.強化ガラス製のなべ蓋の品質試験
家庭用品品質表示法の表示対象品でもあるガラス製のなべ蓋は、強度を向上させた強化ガラス製のものが広く流通しています。
強化ガラスは割れにくいのが特長ですが、急激な温度変化や過度な衝撃を受けると破損します。万一破損した場合は、大きな音がする、破片が細片となって激しく飛散するなど、爆発したかのような割れ方をするため、事故につながることがあります。
強化ガラス製のなべ蓋として基本的な性能が備わっているか、JISによる試験および基準が定められており、当研究所でも実施しています。
5. 強化ガラス製蓋の衝撃強さ(JIS S 2010:2013アルミニウム製加熱調理器具8.3.17 強化ガラス製蓋の耐衝撃試験)
強化ガラス製のなべ蓋に物理的な衝撃を与えたときに割れないかどうかを調べる試験。
※試験方法については、下記をご参照ください。
⑤強化ガラス製蓋の衝撃試験
4.他にもガラス製品に関するさまざまな試験を実施しています
当研究所では、お取り扱いのガラス製品に、用途に応じた適正なガラスが使われているかどうか、JISで定められた基準を満たしているかどうかなどを、試験によって確認することができます。また、苦情事例に応じた試験の提案など、ご要望に応じた品質チェックなども行っています。お気軽に、お問い合わせください。
■ガラス製品の試験項目
・ひずみ
・熱衝撃強さ
・衝撃強さ
・焼付け加工
・容量