消費科学研究所
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タオルのふんわり感を評価してみました!

衣料・繊維製品

2021年12月2日

タオルの評価項目には染色堅牢度や物性、吸水性などJISで定義された評価方法がある一方で、ふんわりやなめらかなど購入の際の決め手となる評価については、どの規格にも定義されていません。

そこで、今回はKES風合い計測圧縮特性の機械を用いて、ふんわりの評価を被験者11名の官能評価と比べて相関性があるのかを観察してみました。

1.使用したタオル

  • 綿100%のタオル

2.サンプル(洗濯前と洗濯後で比較)

  • ①新品(洗濯前)
  • ②洗濯後(処理は洗濯&タンブル乾燥15回)

3.測定方法

  • Ⅰ;官能検査

    30~50代男女11名に掌で上から押さえるように触ってもらい、どちらのタオルがふんわりしているかを2択で回答してもらいました。触り方については、押すようにして触ってもらいそれ以外の回数やどれくらい荷重をかけて押し込むかは自由に触ってもらいました。

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  • Ⅱ;機械で測定
    感触を数値化できる機械(KES風合い計測 KES-G5)を用いてふんわり感を測定しました。
    今回の測定で使用した機械は下の写真のものです。

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    KES-G5 測定機

4.試験結果

      Ⅰ;官能検査

      11人のモニターが①新品と②洗濯後のタオルのどちらに「ふんわり感」を感じますかという問いに対して11人全員が②洗濯後のタオルに「ふんわり感」を感じると答えました。

 

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それでは、機械で測定した場合同じような結果になるのかみてみると・・・ 

 

 

 

Ⅱ;機械で測定   

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上の表のとおりになりました。
圧縮エネルギーと沈み込み量は、圧縮されやすさを数値化したもので、数値が大きいと圧縮されやすいことになります。
回復仕事量は、圧縮されたものがもどろうとするときの力を数値化したもので数値が大きいと、圧縮されたものの回復がいいことになります。

 

当社ではこの3項目を「ふんわり」に関連すると位置づけ、比べたところ、これら全ての項目において②洗濯後の方が①未処理に比べ値が大きくなっていました。
つまり、機械で測定しても人で評価したときと同じ結果になりました。

 

 

 

5.まとめ
今回の結果から機械より得られた数値評価と人間が手で触れた感触とで、相関性が取れました!
官能評価では、人の感覚でさわることで実使用を想定しながら判断でき、機械で測定した場合は、客観的な比較が可能です。
消費科学研究所では、モニター手配も可能ですのでその両面の測定も対応できます。

 

 

 

6.その他のタオルの評価
■脱毛率
■毛羽付着
■パイル保持率
■吸水性
■洗濯乾燥性

 

 

 

7.その他の評価可能なアイテム
■おむつ
■靴下
■マスク
■パフ
■クリーム   など

 

 

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