消費科学研究所
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“異物?”と思いきや・・・ ~クレーム試験その2~
食品
2021年12月24日
一般に、食品の“異物”と聞くと、「金属片や毛髪が混入していた!」のように、
「食品に入ってはいけないものが入っていた」というイメージがあると思われます。
しかし、それ以外でも「異物!?」となることがあるのです・・・。
先日、とある食品メーカー様より、
「お客様より『たけのこ煮に白いかたまりがある』とのお申出を受けた」
という内容のご相談を受けました。
お持込みされたたけのこ煮には、表面に「白いかたまり」のようなものが見られます。
まず初めに、この「白いかたまり」について、顕微鏡で観察したところ、細菌やカビの菌糸は見られず、針状の結晶物が多数見られました。
しかも、水には全く溶けません。
次に、赤外分光光度計(FT-IR)という分析機器を使って成分を調べた結果、白いかたまりは、「チロシン」という物質であることがわかりました。
チロシンは、アミノ酸の一種で、もともとたけのこ自体に含まれる成分です。
加熱で溶けだした成分が冷めることで再結晶化し、白いかたまりになることがあります。
今回のケースのように、原材料由来の成分によって起こる現象に対しても、お客様から「異物が入っていた!」とクレームになることがあります。
検査をすることで、原材料由来の成分と分かれば、きっとお客様も安心されるのでは
ないでしょうか。
また、お客様へご説明される際にも、お役に立てると思います。
<消費科学研究所では、赤外分光光度計(FT-IR)を用いた検査が可能です>
赤外分光光度計(FT-IR)は、有機物(プラスチックなど)の分析に使用します。
ご興味のある方は、ぜひ消費科学研究所までお問合せください。