消費科学研究所
BLOG

「毛髪一本曲げ特性試験」で髪のハリ・コシを数値化する

ヘアケア・化粧品

2022年6月14日

消費科学研究所ではさまざまな毛髪試験を通し、ヘアケア製品の性能評価を行っております。
今回はそれらの試験の中から「毛髪一本曲げ特性試験」について紹介します。

 


1.曲げ特性試験について

毛髪を曲げた際の「曲げかたさ」および「回復性」について測定する試験です。

 

シャンプーやコンディショナーなどのヘアケア製品で処理した毛髪や、ダメージを受けた
毛髪について試験を行うことで、その違いをわかりやすく数値化(見える化)します。
たとえば、ハリ・コシのないダメージヘアを測定すると「曲げかたさが低く、回復性に乏しい」
ということが数値化されます。

 

従来は200本のサンプルシートで行っていた測定を「毛髪1本」での測定が可能となり
より製品の特性に注目した評価が可能となりました。

 

 

 

2.試験方法について
毛髪直径計測機にて一定範囲内に太さが整った毛髪を選別します。
次に選別した毛髪を一本曲げ試験機にセットし、一定速度でアーチ状(最大曲率 2.0cm-1)に
曲げていき、その際に必要な力を計測して曲げかたさ、回復性を算出します。

画像 画像

   

(毛髪サンプルの作成~測定は、室温20℃、相対湿度65%の環境下で行います)

 

画像
赤丸部分にある穴に毛髪を通し、セットします

 

画像

 

3. 解説
測定中、データはグラフで表示されます。
<ヨコ軸:湾曲の大きさ(曲率)、タテ軸:曲げるのに必要な力>

 

  画像画像

測定チャート

 

 

画像

・B値(かたさ)  
毛髪を曲げる際に必要な力
曲げる際に掛かる力が大きいほど「かたい=ハリがある」

・2HB値(回復性)
”一方向に曲げる際に必要な力”と”元の位置に戻す際に必要な力”の差 
2つの力が等しいほど「回復性がある=コシがある」


シャンプーやコンディショナーなどヘアケア製剤をはじめ
ヘアドライヤー、ヘアアイロンなどの美容家電にもご利用いただけます!



製品を使用することでの風合い変化を把握し、品質改善・新規開発にお役立てください。

 

送付時は毛髪の折り曲がりや強いつぶれ、試験品の漏れや破損には充分ご注意下さい。

 

お問い合せ先
株式会社 消費科学研究所
大阪研究所 Tel.06-6445-4670(代)
フォームからのお問い合わせはこちらから