消費科学研究所
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動物にとって優しい中綿(羽毛)
衣料・繊維製品
2022年8月4日
冬の時期にダウンジャケットを着ると暖かくて、寒さをしのげます。
ダウンジャケットにはその名の通り、中綿にダウン=羽毛を使用しています。
実は動物愛護を意識している人を中心に一部の羽毛の採取方法が問題視されています。
<優しい羽毛の採取方法>
羽毛はカモやアヒル、ガチョウといった水鳥から採取した毛です。
優しい採集方法は羽毛の生え変わる時期に、抜けかけている羽毛を
手で取ったり、巣などで抜け落ちた羽毛を集めます。
これらは手間がかかり、一度に採れる量も少ないため、
製品は比較的高価なものとなります。
<優しくない羽毛の採取方法>
効率よく大量に羽毛を採取するために、生きた水鳥からまだ
皮膚についている状態の羽毛をむしり取る方法があります。
みなさん、頭の毛を引っ張られると痛いですよね?水鳥も同じです。
羽毛をむりやりむしり取られると虐待になるはずです。
また、食肉用の鳥から、食肉と同時に採取する方法もありますが、
早く大きく成長させるために、強制給餌されることがあり、これも
虐待になります。
羽毛を用いた安い製品はこのような方法で採取されたものかも知れません。
<メーカー側の取り組み>
アパレル企業の中にはこのような問題にいち早く取り組んでいるところがあります。
例えば優しい方法で採取されたことがわかっている、トレーサブルな羽毛のみを
使用して製品を製造している企業があります。
また、羽毛そのものを使用せずに、発熱機能などを
付与した合繊中綿を使用した製品を製造している企業もあります。
消費者がこのような商品を購入することは動物虐待といった
観点からエシカル消費であるといえるでしょう。
<消費科学研究所では中綿入りの衣料品の評価が可能です>
羽毛の代わりの中綿を使っても、暖かさがなければきっとその商品は売れないはずです。
消費科学研究所では例えばサーモグラフィカメラ等を用いて、羽毛と同様の暖かさがあるか
調べることができます。
*測定例
サーモトレーサ(サーモグラフィカメラ)を用いた試験についてご紹介【1】
サーモトレーサ(サーモグラフィカメラ)を用いた試験についてご紹介【2】
合繊中綿を使用した場合、洗濯しても羽毛のように中綿の偏りが生じにくいため、
ウォッシャブルを謳えるかも知れません。
(ただし、通気性の低い側地を使用した場合には回転脱水に注意する必要があります)
その場合には実際に耐洗濯試験を行って、中綿がへたらないかなど、外観変化を調べることもできます。
衣料品も、SDGsやESGといった考え方を取り入れた新しい商品が開発されます。
そのような新しい商品でも消費科学研究所は品質面からサポートします。
ぜひ、お声がけください。