消費科学研究所
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『ガラス片?』 ~クレーム試験その6~
クレーム原因究明
2022年9月9日
先日、「“ガラス片”のような、無色透明の塊状のものが混入していた」との相談がお取引先様からありました。
ただ、工場内では“ガラス製の器具類”は使用していないとの事。
どこで“ガラス片”が入ったのか全くわからない・・・。
そのため、組成を確認してほしいとのご依頼でした。
『蛍光X線分析装置(EDX)』で石やガラスを測定する場合、主な元素である「ケイ素(Si)」がどの程度含まれるかを調べます。
塊状のものを、この装置で測定してみると・・・
なんと、「ケイ素(Si)」は全く検出せず、ガラスではありませんでした。
拡大鏡で観察しても、“ガラス片の特徴である貝殻層状の破断面”※は見られない・・・。※シェルマーク(ビーチマーク)とも言います。
じゃあ、この塊は何?
試しに、端の一部をバーナーで軽く炙って加熱したところ、軟らかくなって溶けたため、やっぱりガラスではなさそう。
薄膜状にして、『赤外分光分析装置(FT-IR)』で測定してみたところ、「メタクリル樹脂の破片」であることがわかりました。
「メタクリル樹脂」は、硬くて透明度が高く、一見するとガラスのようにも見えます。
この結果を元に、工場内を再点検したところ、原因となったメタクリル製の破損品が発見されました。
いや~、見た目だけでは、わからないものですね。
≪消費科学研究所では分析装置を用いた検査が可能です。≫
蛍光X線分析装置、及び赤外分光分析装置など、各種分析機器を用いた検査にご興味のある方は、ぜひ消費科学研究所までお問い合わせください。