消費科学研究所
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「カタラーゼ試験、実は○○!?」 ~クレーム試験その7~
食品
2022年10月14日
ここに1本の毛髪がある。
この毛髪サンプルに対して、異物検査修行中の新人M氏は、今まさにカタラーゼ試験(※)を実施したところだが、M氏の表情は暗い。
M氏:「この結果はいったい・・・?」
※カタラーゼ試験とは・・・
◎異物が加熱されたかどうか(異物混入の時期が、加熱調理工程 前か後か?)を確認する試験。
◎生物が持つ酵素の一種カタラーゼが、過酸化水素と反応して気泡を発生する性質を利用する。
異物が未加熱であれば異物から気泡を発するが、加熱されていれば、カタラーゼが失活し(=反応する性質を失い)、気泡は発生しない。
そこへ通りかかったベテラン試験員のY氏。
Y氏:「Mさん、カタラーゼ試験は一筋縄ではいかないよ。実は、注意すべき点がたくさんあるんだ。」
実は、毛根がないとダメ?
毛髪は生物由来ですが、カタラーゼが存在するのは毛根部分だけ。
そのため、毛根のない毛髪異物は試験不可となります。
実は、こんな食品に混入した異物はダメ?
酸性の食品に混入していた異物は、酸によってカタラーゼが失活してしまい、判定不能となることも・・・。
発酵食品や腐敗した食品に混入した異物には、微生物がいっぱい。微生物は、カタラーゼやそれによく似た、紛らわしい酵素を持っています。その酵素が反応してしまうと、判定不能となることも・・・。
このほかにも、カタラーゼ試験には条件や注意事項がございます。
試験を検討される場合は、ぜひ一度、弊社までご相談ください。
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