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" たまご "って? ~②~ <卵とサルモネラ>
食品
2023年1月13日
卵はサルモネラ属菌の代表的な食中毒原因食品のひとつです。
鶏卵は水分含量が高く、細菌の増殖に必要な栄養素が含まれています。
サルモネラ属菌とは?
- 鶏・牛・豚などの腸管内に存在します。
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高湿度や水分活性が高いおよび35℃~43℃の温度帯で活発に増殖し、低温(7℃未満)で発育できなくなると言われていますが、死滅するわけではありません。
乾燥には強いとされていますが、加熱には弱いため、十分な加熱で死滅します。
- 鶏が感染した場合、ひなでは下痢などの症状が見られることがありますが、成鶏では症状は見られません。
サルモネラ食中毒とは?
- 潜伏期間は5~72時間で、発症のピークは12~24時間。
- 症状は発熱(38~40℃前後)、腹痛、激しい下痢、頭痛、吐き気、嘔吐。
- 症状は比較的軽く、多くは自然治癒により回復しますが、高齢者や子どもは重症化することもあります。
原因になりやすい食品は?
- 汚染される主な食品は、卵、食肉製品、乳製品などがあり、原因食品には洋菓子、オムレツ、自家製マヨネーズ、だし巻き卵、とろろ、卵焼きなどがあります。
自家製マヨネーズは“生卵を使用している”という意識が薄くなりがちです。使う分だけをつくり、作ったらすぐに使い切りましょう。
サルモネラ属菌に汚染されている卵の割合は?
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市販鶏卵の汚染の割合は0.0027%(10万個に2.7個)と試算されています。
(2020年農林水産省消費・安全局調査結果)
- 汚染率が低くてもリスクがないわけではありません。
サルモネラ属菌の卵(鶏卵)への汚染経路は?
- 2通りの経路があります。
- on egg汚染:
- 鶏の消化管に存在する菌が糞便により卵殻表面に付着して卵内部に侵入する。
- in egg汚染:
- サルモネラ属菌に感染している鶏の卵巣や卵管に保菌されている菌が卵の形成過程で内部に取り込まれる。
on egg汚染は通常の流通過程においてパックに詰められる前に卵殻の洗浄・殺菌が実施されているため除去されますが、in egg汚染は卵内部の汚染のため、卵殻を洗浄・殺菌しても取り除くことはできません。
食中毒を防ぐには?
- 卵を生で食べる場合は、新鮮で殻にひび割れがなく、賞味期限内のものを割卵したらすぐに食べましょう。
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卵の割り置きは厳禁です。割卵後はすぐに調理しましょう。
また、中心温度75℃で1分間以上加熱しましょう。
- 調理後は速やかに食べきりましょう。
- 卵を扱った後の手指や調理器具はよく洗浄・消毒しましょう。
- 犬や猫、亀などペットからの感染も問題となることがありますので、ペットと触れ合った後の手洗いは徹底しましょう。
卵とサルモネラの関係についての知識は深まりましたか?
卵は正しく取扱い食中毒を防ぎましょう。
消費科学研究所では生鮮食品をはじめ、加工食品などの取扱い指導や厨房点検を行っております。ぜひお気軽にお問い合わせください。