消費科学研究所
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広告表示における景品表示法上の注意点①

媒体表示

2024年3月18日

広告表示に関するルールのひとつに「景品表示法」があります。とはいえ「優良誤認表示以外のルールをよく知らない…」「薬機法には気をつけているけれど、景品表示法は何を気にしたらよいのかイマイチ分からない…」とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、衣類の広告を題材に、広告表示における景品表示法上の注意点の一例をご紹介いたします。

まずは以下の広告事例をご覧ください。よくある感じの広告かもしれませんが、景品表示法上注意しなければいけないポイントが実は5つあります!

景品表示法上注意しなければいけないポイントは分かりましたか? ひとつひとつ見ていきましょう。

<ポイント1 効果や性能について合理的根拠があるか>

カシミヤは一般的に保温性能に優れた高価な素材とされていますが、今回の事例には上記のように「原材料がモンゴル産の高品質ホワイトカシミヤのみ(100%)である旨の表示」「衣類への花粉の付着を防止する性能についての表示」があります。商品の効果や性能に関する表示は、合理的根拠がない場合、実際の商品よりも優良であると誤認を与える「優良誤認表示」として、景品表示法上の不当表示となる恐れがあります。

【不当景品類及び不当表示防止法第7条第2項の運用指針】によると「合理的な根拠の判断基準」は以下のとおりとされていますので、こういった要件を満たす合理的根拠があることを確認の上、表示する必要があります。

【合理的な根拠の判断基準】

  1. 提出資料が客観的に実証された内容のものであること。
  2. 表示された効果、性能と提出資料によって実証された内容が適切に対応していること。

【参考】”不実証広告規制”|消費者庁ホームページ

<ポイント2 商品の原産国を誤認させる表示はないか>

その商品がその原産国で生産されたと消費者に分かりづらい表示は「商品の原産国に関する不当な表示」として、景品表示法上の不当表示に該当する恐れがあります。

今回の事例での上記表示には、「原材料(カシミヤ)がモンゴル産である旨の表示」「商品の企画とデザインがモンゴルで行われている旨の表示」「原材料(カシミヤ)の産出国としてモンゴルが優れている旨の表示」「モンゴルの国旗のイラスト」「モンゴルをイメージさせる風景のイラスト」といった、商品とモンゴルの関係性を強調する表示が多く使われており、商品の原産国がモンゴルであるとの認識を与えやすい内容になっています。

そのため、商品の原産国がモンゴルでない場合、商品とモンゴルの関係性の強調を避けた上で、商品の原産国を明記しないと不当表示となる恐れがあります。

なお【「商品の原産国に関する不当な表示」の原産国の定義に関する運用細則】において「原産国」とは「その商品の内容について実質的な変更をもたらす行為が行われた国」を指し、今回の事例のような「衣類」の場合は「縫製された国(編み物の場合は編立した国)」が原産国に該当します。

【参考】”商品の原産国に関する不当な表示”|消費者庁ホームページ

ポイント3以降の解説は次回に続きます!