消費科学研究所
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インフルエンサーの方々に化粧品のPR投稿をご依頼いただく際の注意点 前編

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2024年8月23日

今回は、インフルエンサーの方々に化粧品を提供し、「この商品の良さをSNSでご紹介ください。アピールしてほしいところは・・・」等とPR投稿をご依頼いただく際の注意点について説明します。

まずは、以下の投稿サンプルをご覧ください。

注意すべき点は主に3つあります。

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【ポイント1】広告であると分かりやすく示していただく!

事業者*1により商品が提供され「この商品の良さをSNSでご紹介ください。アピールしてほしいところは・・・」といった依頼に基づき行われるSNS投稿は、それがインフルエンサーの方々による投稿だとしても、事業者の広告に該当します。

一方で、事業者により商品が提供されたとしても、事業者が投稿内容には一切関与せず、投稿内容はあくまでもインフルエンサーの方々の自主的な意思に基づく場合は、必ずしも広告とはいえません*2

*1:このブログにおける「事業者」は、化粧品のメーカー様や化粧品をお取り扱いの小売事業者様等、化粧品を供給する事業者様(広告主様)を想定しています。

*2:事業者の広告になる/ならないの判断は、以下の実態を総合的に踏まえてなされます。

  • 事業者と第三者の間の表示内容に関する情報のやり取りの有無
  • 表示内容に関する依頼・指示の有無
  • 事業者から第三者への対価の提供の有無
  • 事業者と第三者の関係性(表示内容の決定に関与できる程度の関係があるのか)

【参照】消費者庁表示対策課."景品表示法とステルスマーケティング~事例で分かるステルスマーケティング告示ガイドブック~".消費者庁.2023-05.https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/assets/representation_cms216_200901_01.pdf,(参照2024-08-15)

投稿サンプルを今一度ご覧ください。この投稿が事業者の広告と、明確に示されていますか。

冒頭には「〇〇社の新発売グロス」と書かれてあるものの、自らの意思で購入したのかそうではないのか不明です。また、ハッシュタグ*3をよく見ると「#pr」とあるものの、たくさんある他のタグに紛れて分かりづらいですね。

*3:「#」がついているキーワードのこと。実際のSNSでは、例えば「#新作リップ」をクリックすると、同じタグの付いた投稿が一覧で表示される。

事業者による広告であるとの判断が困難な広告は「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」として景品表示法に抵触します。(いわゆる「ステルスマーケティング規制」)

事業者の広告に該当するSNS投稿については、その旨を分かりやすく投稿内で示していただくよう、インフルエンサーの方々に予め依頼する必要があります。

【ポイント2】事実関係があいまいな投稿は避けていただく!

投稿画像には「人気No.1」「バズりコスメ」といった、目を引きそうな、それでいてSNSではよく見るワードが並びます。

しかし、想像してみてください。「どういうデータをもとにした【人気】【No.1】【バズり】ですか?」と閲覧者から質問があった場合、きちんと説明できますか。

閲覧者の中には、インターネット広告の監視・パトロールを行っておられる行政の方がいらっしゃるかもしれません。リスク回避のためには、事実関係を問われた際、明確な回答ができる内容にてご投稿いただくよう、予めインフルエンサーの方に依頼いただくことがベターです。

ポイント3の解説は後編に続きます!