消費科学研究所
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『食品クレーム試験の“タイパ”と“コスパ”』

食品

2024年9月13日

少し前に、“コスパ”ならぬ“タイパ”という言葉が話題になりました。費用対効果だけでなく時間対効果も重要視される昨今ですが、弊社では以前よりこの2つを重視したご提案を心がけてきました。

例えば、カビのクレーム試験をお受けする場合、「お菓子に生えたカビの種類を調べてほしい」とのご依頼に際し、「かしこまりました。それではカビの同定試験※1をお受けいたします」と、杓子定規に終わらないのが弊社の持ち味です。色々とお話を伺うと、次のような事情をお持ちでした。

  • カビの種類を調べて、発生原因究明と再発防止につなげたい
  • カビを発見されたお客様が気分を害されており、できるだけ早いご報告が必要

しかし、調べたカビの種類から発生原因を突き止めるのは難しく、また、再発防止策はカビの種類に関らずカビ全般に対して行うことが一般的です。また、カビの同定試験には時間も料金もかかり(「種」まで調べるのに2週間以上、10万円以上かかるケースがあります)、種類によって納期も料金も変動します。迅速なお客様対応まで求められている中、「カビの同定試験」は“コスパ”も“タイパ”も良いとは言えません。

そこで、ご提案したのは次のような試験です。

  • カビの種類までは調べず、「確かにカビであること」を確認する試験にとどめる
  • カビの発生原因となりやすい包装袋のピンホール、シール不良を調べる(ピンホール試験※2)

この試験は、より短期で安価にカビの発生原因を直接的に調べることができます。納期や料金の変動の心配もなく、包装袋に問題が見つかれば再発防止策も立てやすいため、こちらの代替案を実施することになりました。

資金と時間の制約がある中で、お取引先様には、最も効果的でバランスの良いプランをご提案したい。

“コスパ”と“タイパ”重視の姿勢は、今も昔も変わらぬ弊社のモットーです。

※1 同定試験…生物の科学的分類を調べるための試験。

※2 ピンホール試験…包装袋に小さな穴や、シール不良などが無いか調べる試験。

穴やシール不良部分から空気が入ると、カビが生えやすくなる。

<消費科学研究所では、各種クレーム試験をお受けしています。>

内容やご要望に応じて、個別に最適な試験をご提案いたします。

ご興味のある方は、ぜひ消費科学研究所までお問い合わせください。

関連ブログ:カビ(チョコレート編)~クレーム試験その8~