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コスメ什器の広告表現の注意点

媒体表示

2024年12月6日

 

今回は、コスメ什器における、広告表現の注意点を解説します。

ここでの「コスメ什器」とは、店舗でコスメを陳列(ディスプレイ)するための、販促ツールとしての展示台を指します。

以下はその例です。

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「大きな立体でブランドイメージや世界観を分かりやすく表現することで、顧客の目を引く販促ができる」

「什器の周りをPOPやアテンションツールで飾れば、さらに訴求力を高められる」

などの魅力がありますね。

しかし、什器の広告表現には、「大きな立体」ならではの注意点があります。それは、「必要な表現が隠れてしまう場合がある」ことです。

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先ほど例示した什器から、すべての商品を取り除き、周りを彩っていたPOPも全部はがしてみました。

什器の表現にご注目ください。先ほどの例示では見えなかった表現が、見えていませんか?

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大きく書かれているキャッチコピー「冬の肌にじっくり浸透※1」の「※1」、「ノンコメドジェニックテスト済み※2」の「※2」、2つの注釈が隠れていたのです。

しかしこの注釈、化粧品広告のルールでは2つとも記載必須であり、本来隠れてはいけないものです。以下の解説をご覧ください。

■【「肌への浸透」の表現は「角質層」の範囲内であること】とされています。

■「ノンコメドジェニックテスト済み」の表現を行う場合には、次に掲げる全てを満たすことされています。

  • ① キャッチフレーズとなっていないこと。
  • ② デメリット表示が記載されていること。
  • ③ デメリット表示は「ノンコメドジェニックテスト済み」の近傍に記載されていること。
  • ④ デメリット表示は「ノンコメドジェニックテスト済み」の文字と同等程度の大きさで、目立つように記載されていること。

[デメリット表示の例]「全ての方にコメド(ニキビのもと)が発生しないということではありません。」

※「日本化粧品工業連合会 化粧品等の適正広告ガイドライン 2020年度版」より引用し、一部改変

「ノンコメドジェニックテスト済み」の表現については、デメリット表示が隠れてしまい、実質記載なしの状態になってしまっているのがまずNGですが、それ以外にもNGがあります。

  • 「デメリット表示はテスト済み表現の近傍」という条件も満たしていない。
    (そもそも記載箇所が離れているので、仮に隠れていなかったとしても問題がある。)
  • そもそも「キャッチフレーズとなっていない」という条件も満たしていない。
    (什器の中央に大きく書かれているため。什器は「大きな立体」であることから、表現全体にキャッチフレーズ級の訴求力があると考えるのが望ましい。)

なお、今回は「必要な表現が隠れてしまう」の例として「陳列商品」を挙げましたが、他にも隠れてしまう例はあります。

  • POPやアテンションツールを盛り過ぎて隠れてしまう
  • 什器を組み立てる前(平面上)は表現の近くにあった注釈が、組み立てることで折り目に入り込んだり、別の場所(裏側、内側、側面等)に移ったりして隠れてしまう
  • 平面上では何とか読めた注釈が、什器にすると文字が小さくなったり、周りの目立つ表現やPOPで印象が霞んだりして、読める状態でなくなる

繰り返しになりますが、什器は「大きな立体」であることから、WEBやチラシなどの平面の広告よりも、一層「目立つ表現」に目が行きがちで、注釈を逐一読み取るのは難しいことから、極力注釈は使わないほうがいいかもしれません。

消費科学研究所では、コスメ什器の媒体点検も実施しております。(印刷前のデータ(PDFや画像データ)にて実施。)

什器ならではの注意点を踏まえて点検いたしますので、ぜひ什器であることをお知らせいただいた上で、ご依頼ください。

また、コスメショップ等で店頭の表示点検(什器、POP・アテンションツール等)も行っております。

次回は、「POPやアテンションツール」の注意点をご紹介します。

今回の什器を彩るPOPやアテンションツールにも、実はNG表現が色々とありますので、NG理由や改善のポイント等を解説いたします。

お楽しみに!