消費科学研究所
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POPやアテンションツールの広告表現の注意点 その1
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2025年1月31日
今回は、POPやアテンションツールにおける、広告表現の注意点を解説します。
POPやアテンションツールを用いることで、商品パッケージや店舗のコスメ什器*等の訴求力をさらに高められます。以下はその例です。
*ここでの「コスメ什器」とは、店舗でコスメを陳列(ディスプレイ)するための、販促ツールとしての展示台を指します。コスメ什器の広告表現の注意点はこちらのブログをご参照ください。
しかし、このPOPやアテンションツールのひとつひとつに、広告のルール上、注意すべき点があります。
まずはこちらのPOPをご覧ください。POPは広告表現を盛り込めるスペースが限られるので、細かい説明はできるだけ省き、訴求力のあるワードのみを強調して表現したくなるかもしれませんが、必要な情報はきちんと記載しないといけません。
例えば上記POPでは、以下の情報の加筆が必要です。
1.何を比較した上で「人気」としているかを、事実に基づき記載する。
「売上」「販売数」「出荷数」「口コミ投稿数」など、何をもって人気とするかはいろいろな考え方があるので、それを示さない人気ナンバーワン表示は不明瞭といえます。
「人気No.1※ ※20●●年度の販売数」というように注釈で示すのも一案ですが、POPのような小さい広告では、注釈が小さすぎて読みづらくなる恐れがあります。したがって、「20●●年度 販売数No.1」というように、極力注釈なしでの表現が分かりやすく望まれます。
2.「クリーム部門」についての詳細を、事実に基づき付記する。
ブランド内比較であれば「〇〇〇(ブランド名) クリーム部門」、メディア媒体におけるランキング等であれば「20●●年 ■■■(メディア媒体名)◎◎◎ランキング クリーム部門」などです。やはり、極力注釈なしでの表現が分かりやすく望まれます。
こういった情報がないと、どういった競合がある中での「クリーム部門」か見当がつかず、この世のクリームすべてにおけるナンバーワンである等の優良誤認を与える恐れがあるからです。
【参考】
No.1表示の根拠について、景品表示法、合理的と認められるポイントは以下のとおりとされています。
■比較対象となる商品・サービスが適切に選定されている
■調査対象者が適切に選定されている
■調査が公平な方法で実施されている
■表示内容と調査結果が適切に対応している
次は、こちらのPOPをご覧ください。POPは、限られたスペースの中で効果的に顧客の目をひく必要があるので、文字だけでなくイラストやアイコンも有効活用したいところですが、以下のPOPには注意が必要なイラストが1つあります。
それは、上向きの赤い↑(矢印)です。
スキンケアアイテムの広告において上向きの矢印は、リフトアップ効果があるとの認識を与えないよう注意する必要があります。リフトアップ効果は、化粧品の効果の範囲に含まれずNG表現であるからです。
さらに、今回のPOPには「小じわ」の表現もあるので、小じわがピンと伸びて解消されるような効果を期待させるかもしれません。小じわの解消効果も、化粧品の効果の範囲に含まないNG表現であることから、POPからは削除が必要です。
POPやアテンションツールにおける、広告表現の注意点を解説は次回に続きます!