消費科学研究所
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「食品ロス」でSDGs達成に貢献!~期限設定について・後編~
食品
2025年1月31日
前編はこちら↓↓↓
「食品ロス削減」でSDGs達成に貢献!~期限設定について・前編~
食品期限の表示のあり方について
平成17年に厚生労働省及び農林水産省が策定した「食品期限表示の設定のためのガイドライン」では、期限表示の設定には保存試験や科学的なデータに基づいて設定されるべきであるとされています。安全性や品質の観点から、食品の劣化や変質が起こるまでの期間を評価し、それを基に賞味期限や消費期限を設定することが求められています。
また、食品の品質のばらつきや保管環境の差による劣化の変動を考慮し、より安全な期間を確保するため、食品期限は最大保管期間よりもやや短い期間を設定することが推奨されています。
ガイドラインでは安全係数についても触れられています。安全係数は食品期限を設定する際に使用される数字です。保存試験で安全性や品質が確認された最大保管期間を基に設定されますが、より安全側に行くように「1」未満の数字を掛けて期限を設定します。安全係数を掛けることで、最大保管期間よりもやや短い期間になります。
現在、食品ロス削減の観点から、このガイドラインを見直すための検討会が有識者から構成され、2024年5月27日に第1回の見直し検討会が行われました。
この検討会では、賞味期限が到来した食品でもまだ食べることができる食品の取扱いについて検討されており、食品寄附活動の促進につなげることが目指されています。
2025年3月に、改正「食品期限表示の設定のためのガイドライン」が公表される予定となっています。
このような取り組みにより、食品の期限表示や安全係数の設定がより適切に行われ、食品ロスの削減に貢献することが期待されています。
食品の期限はどうやって設定されているの?
まず、その食品の品質がどのくらいの期間まで保持されるのかを調べます。
食品の特性に配慮した、数値化できる『客観的な項目』に基づいて評価する必要があります。
『客観的な項目』とは・・・
理化学試験: 「pH」、「糖度」、「酸度」、「栄養成分」、「油脂の酸化(酸価、過酸化物価)」など
微生物試験: 「汚染指標菌(一般生菌数、大腸菌群など)」、「真菌(カビ、酵母)」など
官能検査: 「外観(色、形状など)」、「味」、「におい」など
次に、食品の特性に応じて設定された期間に対して、食品のばらつきや環境を考慮した「安全係数」と
言われる「1」未満の係数をかけて期限を設定します。
例えば、微生物試験などの結果から得られた品質が保持される日数が10日間であり、
安全係数を「0.8」と設定した場合
食品:プリン 安全係数:0.8
(品質が保持される日数)×(安全係数 0.8)= 10日間 × 0.8 = 8日間!!
となり、製造日から8日間の期限をつけることができます。
このように、期限(消費期限または賞味期限)を設定していきます。
消費科学研究所では、主に期限設定のための微生物試験を実施しております。
試験の依頼等に必要なことは、下記を参考にしてください。
検査の申し込みについて(弊社にご依頼いただく場合)
- 【検 査 日】
- ①初発(製造日)
②設定したい期限日
③設定したい期限日に安全係数を考慮した日 - 【保存温度】
- ご希望の温度
- 【検 体 量】
- 1回の検査ごとに、1個を開封して使用しますので、販売時の商品形態で、検査希望回数分+α(出来れば、予備分で数個)の個数をご用意ください。
※例えば、①~③の3回、検査をご希望の場合は、最低3個以上が必要です。 - 【試験項目】
- 微生物試験基本セット(一般生菌数、大腸菌群、黄色ブドウ球菌)
その他ご相談に応じます。
食品ロス削減の取り組みのひとつとして、期限の設定を見直してみてはいかがでしょうか?
日持ちさせたい期間、保存温度など、ご要望に合わせて検査させていただきますので、まずはお気軽にお問合せください。
ご依頼はこちらから ↓↓↓